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コレ買いました:スティーブン・レヴィ著「グーグル - ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ」 [本]

ジャーナリストのスティーヴン・レビーによるGoogle本。600ページほどあって比較的厚い本ですが(自炊したので持ち運びが楽チン!)、面白くて一気に読んでしまった。

著者はこれまでも、テクノロジーや技術者に焦点を当てたドキュメントを多数書いてきた人で、ハッカーと呼ばれるような人々や、コンピューターカルチャーの隆盛を書いた「ハッカーズ 」や、情報の暗号化技術を巡る描いた「暗号化 プライバシーを救った反乱者たち 」などを出してます。題材となる技術やバックグランドの解説はもちろんですが、携わった技術者たちのモチベーションや空気感を伝えるのに本当に長けていて、ドラマとしても非常に面白く読めてしまうので、個人的に好きな作家です。

今回も手に汗握る(?)内容で、Google社内での長期取材を許可された著者が、内側からGoogleを描いたところが、数多あるGoogle本と(おそらく)大きく違う点なのだと思います。コアとなる検索と広告事業に始まり、物議を醸したBooksや中国進出、そしてAndroidに至るまで、その内側を、会議での様子やインタビューなどを引用しながら生々しく描いてます。サービスの登場や仕様変更、細かいUIの修正まで、変化を日々ユーザーとして感じとってきた自分としては、都度向こう側でどのような意志決定が行われてきたのか興味深く読めました。

個人的には、ある幹部がデザイナーの提案に対して、作り手の意志や主観が入りすぎているとNGを出したエピソードで、「グーグルの製品はマシン主導であり、マシンによってつくられている。それが私たちを強力にし、私たちの製品を偉大にしているのです」という一節が印象的でした。データ主導はGoogleでなくとも行われていることですが、孤高なまでの理想主義と、それを実現するストイックで首尾一貫した企業の性格はやはりステキです。ステキすぎて参考にはできませんが。。

しかし、本書でいちばん興味深かったのは、過去の解説よりも、そういったGoogleの特異さや独自の戦略が直面する現在のWebの状況で、Facebookの台頭に対して焦りや迷走が描かれているエピローグかと思います。

これまでGoogleはコアである検索とは一見、関係なさそうなサービスもたくさん提供してきましたが、Webの発展と拡大が、結果的に広告ビジネスに寄与するというモデルによって、Webの膨張と比例してその規模を拡大させてきました。がしかし、Facebookの台頭はGoogleの領域外のWebが発生し拡大することを意味し、大きな脅威になりつつあるというのが現在、直面している状況です。本章ではソーシャルメディア分野での悉くの失敗や焦りと、Google +1のローンチまでが描かれますが、ソーシャルグラフを大きな要素として加えたWebの転換にどう対応していくのか、GoogleだけでなくWebを考える上でも面白いものだと思います。

ちなみに1990年代末以降の手元のコンピューターしか知らない自分にとって、スティーヴン・レビー氏の他の本は、いま自明のように享受しているテクノロジーが実際はどのような人々の上に蓄積され獲得されたものであったのかを垣間見る上で、とてもとっつきやすい本だったので、敢えてそういうことを知ろうかなと思う時間のある人にはおすすめです。。


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これ買いました:キェシロフスキ監督「トリコロール(Trois Couleurs)」Blu-ray [映画]

キェシェロフスキ監督の三部作「トリコロール」。LDからの買い換えで、Blu-ray版BOXを米Amazonで購入。クライテリオンからのリリースで(link)、日本語字幕はナシです(劇中はフランス語で、英語字幕はちゃんとあります)。

今まで見ていたのがLD(Laser Disc)だったので、画質については比較のしようがないですが、当然ながらキレイでした。HD化でフィルムの粗さも目立つようにもなりましたが、“New high-definition digital restorations”とあるので、おそらくフィルムの修復も行われているのではと思われます(気付かなかった...)。

本作の場合、画質以上に、すべてのカットが(ほんとうにすべてのカットがどれも)絵として見入ってしまうので、HD化されてさらに一段とため息という感じです。それにしても若かりし日のジュリエット・ビノシュやジュリー・デルピー、イレーヌ・ジャコブの美しさたるや...

作品はフランスを舞台に描いた「Bleu(青の愛)」「Blanc(白の愛)」「Rouge(赤の愛)」の三部作。「Bleu」は事故で夫と娘を失った作曲家(ジュリエット・ビノシュ)が、深い喪失と孤独から、自分を取り戻していくまでを描いた物語です。ガラスの飾りから夜のプールまで、青を基調した絵作りが印象的で美しい限りです。

ちなみにHDリマスターの効果として、「Bleu」で主人公と同じアパートに住むダンサー女の子が、プールサイドで振り返りざまにスカートがめくれるシーンで、主人公が指摘する通り本当にノーパンだったのがよくわかるようになりました。さすがBlu-ray。。


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